キャンディ Kandy
■概要: キャンディ Kandyはセイロン島中央部に位置するシンハラ王朝最期の王都が置かれていた都市です。
イギリスによってシンハラ王朝が滅ぼされたのは1815年。
欧州の領土分割を目的として開催されたウィーン会議によりイギリスがオランダからケープ植民地と共に正式に獲得し、それまで支配の及ばなかった王都キャンディも侵略されてしまいました。
但し、王権が根本的に揺らいだのは王朝側の内部抗争の為でもあるとされています。
この街をスリランカの中で特別なものとしているものは、ブッダの犬歯が祀られているとされる世界遺産、佛歯寺のためです。
年に一度のペラヘラ祭では仏歯を入れた舎利容器を象に乗せて、バティックで飾られた象がダンサーたちと練り歩きパレード(ペラヘラ)を行います。
これがエサラ・ペラヘラ(Esala Perahera)です。
見所の多いですが、近代的商業都市に変貌したコロンボと異なり、古都の余裕とのんびりした風情が漂っています。
■観光スポット: メインとなる世界遺産の佛歯寺、そして伝統芸能であるキャンディアン・ダンスを観ることが出来るキャンディ・レイク・クラブは毎夕、観光客でにぎわいを見せます。
丘の上にあるホワイトブッダや、キャンディ湖周辺、また、少し離れた郊外にはランカティラカ、エンベッカ、ガダラデニヤなどの古い寺院があり、観光客も見学することが可能です。
広大な敷地面積を誇るペーラデニヤ植物園 Peradeniya botanical gardenも、植物や総動物の観察にはもってこいで、蝙蝠の巨大なコロニーが確認されています。
■行き方:バンダーラナーヤカ国際空港(CMB)からは車で約3時間半の行程です。
鉄道を利用する場合には一旦コロンボ市内に行き、コロンボ・フォート駅から直通の鉄道が出ています。
■シーズン:はっきりとした観光シーズンは無く、年中お勧めできますが、10月、11月は雨が多くなります。
エサラ・ペラヘラ祭はエサラの月の新月から満月にかけての2週間で行なわれ、本来は神に降雨を求めるために制定された儀式であり、実に紀元前3世紀までその歴史を遡ることが出来るとされています。
仏歯を祀った祭りのダラダ・ペラヘラの融合が現在の祭りの形だと伝承されています。
エサラ・ペラヘラ祭は8月に行われることが多く、スリランカの学校の夏休み、欧米のバカンス、日本のお盆休みに重なることから必然的に大変な混雑になるので、鑑賞には専用の鑑賞席チケットが必要です。