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観光タクシー業界に携わる中で、他社様を含め多くのドライバーと交流する機会があります。

「どのマーケットで走っているか(=どの国の観光客を主に案内しているか)」や、各社による運営ルールの違いなど、さまざまな話題が飛び交う中で、よく話題に挙がるのが「国ごとのチップの額の違い」です。

この違いは、ここ数年でより顕著になってきています。



コロナ禍を経て、チップの差が広がっている


以前から国によってチップの傾向には差がありましたが、コロナ禍後のインフレや為替の影響、特に日本の円安などを背景に、その差は一層大きくなっています。

例えば、イギリスやオーストラリア、西ヨーロッパからの観光客は、スリランカの物価水準からすると非常に高額なチップを渡される傾向があります。

東ヨーロッパやロシアがそれに続き、中東、インド、東アジアからのお客様は個人差があるものの、全体としてはやや控えめな印象です。

文化的・習慣的にチップ文化が根付いていない国、または労働者の人件費が比較的低い国の観光客は、海外でもチップ額を抑える傾向があると感じています。



イギリスの感覚でスリランカへ?チップの背景にある“物価感覚”


上でも述べましたが、チップの金額がその国の人件費や物価水準とある程度リンクしている点です。スリランカとも縁が深いイギリスのように、サービス業の人件費が高い国から来た観光客は、スリランカのタクシー料金そのものが非常に安く感じられるようで、その分、感謝の気持ちを込めて多めのチップを渡してくださっているようです。


私の近しい人にスリランカ系イギリス人がおり、ケントに住んでいますが「(ロンドンでは)ヘアカット代が100ポンドもするのが普通。スリランカでは何でも信じられないほど安いんだからあれこれ考えないで思った事をやるの。折角来てるのに時間がもったいない」と言って、スリランカに来ると毎回必ず髪をフルサービスでセットして、私立病院で体の隅々まで診察し、ホテルで従業員に沢山チップをあげて、アーユルヴェーダ・マッサージを堪能して、山のように買い物をし、嵐の如くイギリスに帰国していくのです。


「人はそんなに安く働くべきじゃない」

彼女がスリランカに来た時によく言う言葉です。

ヘアカット100ポンド(現在約40,000スリランカルピー)の国の人には理解できないかもしれませんが、それよりはるかに安い金額でタクシーが丸1日チャーター出来るのがスリランカです。しかもドライバーの人件費込みです。



現場で起きている“静かな人材流出”


昨年秋ごろ、私が担当する日本語マーケットからベテランの英語対応ドライバーが1名欧州向けマーケットに「助っ人」で出た切り戻って来なくなり、大きな痛手でした。

すぐに補充をかけた結果、即戦力の日本語対応の人材と若く経験豊富な英語ドライバーが確保できたのは、捨てる神あれば拾う神ありで、怪我の功名とも言えましたが、ツアー経験がある、日本人のお客様にもきちんと対応できそうだと手ごたえを感じるような英語対応のドライバーがまだ足りていない状況です。


「1週間のツアーで200ドル貰った」「10日で300ドルのチップを貰った」そんな話が欧米の観光客を担当するタクシードライバーの間で飛び交っています。

これはうちの周りだけの特殊な現象なのか、仲間うちの自慢で盛ってる部分もあるのかなど、すべてが事実とは限らないにせよ、本当に1日30ドル(約9,000ルピー)もの気前の良いチップが常態化しているなら、英語の達者なドライバーがアジア・マーケットに戻って来ないのはある意味当たり前のことかもしれません。

上の日本語マーケットから去って欧米マーケットに移動したドライバーは先月12日間のツアーで12万ルピーをチップで受け取ったそうです。


上記のイギリスに住む彼女の大盤振る舞いからも、彼らの話すチップの話は事実であって、スリランカのツアーの現場では完全にチップに関する意識が変わってしまっています。

日本語マーケットを担当する私としては、このとてつもなく大きな差をどうやって埋めてドライバーたちを引き付けておけるのかが今後も大きな課題です。



チップ頼みのビジネスモデルは持続可能か?


スリランカの観光タクシーで最も多いのはおそらく英語対応のタクシーでしょう。

市場原理から、数が多く競争の激しい業界は価格競争が起こり、価格の低下圧力がかかるのが普通です。

その為、英語対応のタクシーチャーター業界では価格をギリギリまで抑え「上客」の予約を多く取り、多額のチップや買い物時のコミッションに収益を依存するケースが増えていると聞きます。

しかし、この構造ではドライバー個人の収入は確保されても、車両オーナーや運営会社にとっては利益が残りにくい状況になりがちです。輸入車にとてつもない高額な関税がかかるスリランカでは、車両の維持費や部品代も非常に高く、チップで得た収入などでは幾ら高いチップとはいえ車の整備費用にも満たない事でしょう。



最後に ー 価格の健全化に向けて


国により見解の相違がある事は確かですが、チップはあくまで「感謝の気持ち、サービスの対価」として受け取るべきものであり、ビジネスモデルの柱にすべきではないと考えます。

ドライバーのスキルやサービス品質に見合った価格設定を行い、チップに依存しない形での持続可能な運営体制を構築することが、業界全体の健全な発展につながると考えています。

英語マーケットにおいても、適正な価格でサービスを提供することが、長期的に見れば観光客の信頼を得る事になるのではないでしょうか。






 
 
 


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2024年9月 ミンネリヤ国立公園の様子

2025年3月現在、シーギリヤ周辺にある自然公園でのサファリツアーの場所はフルル・エコ・パーク(Hurulu Eco Park)という状況が、昨年11月頃からずっと続いています。


シーギリヤ周辺のサファリエリアは、ミンネリヤ国立公園、カウドゥッラ国立公園、フルル・エコ・パークの3か所があり、サファリツアーでは象の出現しているエリアにジープを向かわせる事になります。

いつでもこれら全てのエリアに象たちが居るわけではありません。


近年これらの中で一番有名なのはミンネリヤ国立公園になりますが、昨年10月以降ミンネリヤ・タンク(貯水池)から水があふれ道路まで浸水したという状況が起きてから、象の群れはミンネリヤに戻って来ていないようです。

毎年サイトごとに何らかのシーズンの波があるのは普通の事ですが、ここまで長くミンネリヤに象が集まって来ないのは一般的だったろうか?と心配になって来ています。



そんな中で嫌なニュースも飛び込んできました。

ミンネリヤ国立公園に生息する "ユニコーン"という名の有名なゾウが、何者かに撃たれて死亡」


カウドゥッラ・ミンネリヤに生息する特殊な1本のみの象牙を持つ象 "ユニコーン"が銃撃で死亡しているのが発見されたとの事。

象牙は奪われておらず、スリランカでは象が撃たれる事件が続いており犯人は見つかっていないのだとか。

象については心が重くなるようなニュースも多いスリランカです。



8月頃からはエレファント・ギャザリングという数十頭、更には100頭を超える群れがミンネリヤ貯水池周辺に集まる現象が観測できるのがこの地域の名物でしたが、今年はどうでしょうか。

心配事は杞憂に終わり、現地のジープドライバーさん達から「ミンネリヤに沢山象が来ているよ」という報告を受けるのを心待ちにしています。








 
 
 
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